E 岡田スタイル

住宅 E岡田スタイル は広島市近郊の郊外、住宅系の地域に計画された。郊外といえば思い起こされるのは建築という人工物に対する自然、広場に対する廃墟という両義性の問題である。これは普遍性に関する問いかけであって一見工学に見える建築物を自然に対する人工物というハードな側面と広場に対する廃墟という人々の集い方というソフトな側面に答えるために建築を経済的、社会的に考察するきっかけを与えるものである。

自身を含む労働者が一般に直面する現実を対象に思想ではないのだけれど統合的なことがしたい。建築の実務においてはそれは、モダニズムは地方的伝統を無視したことへの反芻である。モダニズムの特徴である

幾何学形態の利用

機械美学

工業化社会の進展に伴って派生する建築課題との取り組み 

鉄/ガラス/鉄筋コンクリート工業材料の積極的利用

などを踏まえつつプランについては、居間が中心的な場ではなく、どの部屋に行くにも階段室を通る。つまり和室が階段室を介しての回遊式の構成ー階段広場ーとなっている。

断面については、湾曲した窓による南からの採光を生かせるよう意図した。

立面については街区の角地という好立地を生かして建物の湾曲窓と設けたベンチでにぎわい創出の場をと考えた。ガラスは透明さで純粋に現実の重さを感じさせず人間精神を開放し救済する力を有するものと考えられた。20世紀初頭表現主義建築のもう一つの特徴である自由な曲面を使う、ビルディングタイプといって摩天楼に対する、このことで実際のところは内/外の関係性の提出は難しく内部と外部は分断されているもののサーキュレーションとしての分節ではなく内部と外部がお互いに流動的だということである。街の新しい記憶として豊かな空間となる。

(760文字 延床面積:122.9㎡ 制作2022)

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